いろはすは、日本で最も人気のあるミネラルウォーターブランドの一つです。その人気の秘密は、すっきりとした味わいと手軽さにあります。多くの消費者が日常的に飲用し、外出時の水分補給や災害時の備蓄用としても重宝しています。
しかし近年、ミネラルウォーターの安全性に関する消費者の関心が高まっています。特に注目されているのが、PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)と呼ばれる化学物質の問題です。PFASは環境中で分解されにくく、人体に蓄積される可能性があるため、健康への影響が懸念されています。
PFASは、食品包装材や調理器具のコーティング、消火剤など、様々な製品に使用されてきました。しかし、その持続性と潜在的な健康リスクから、多くの国で規制が強化されています。一部の地域では、地下水や水道水からPFASが検出され、ミネラルウォーターの安全性に対する不安が広がっています。
本記事では、いろはすの安全性について、PFAS問題に焦点を当てて詳しく解説します。いろはすの品質管理体制や製造プロセス、他のミネラルウォーターとの比較、さらには環境への配慮や持続可能性についても触れていきます。これにより、読者の皆様がいろはすを安心して選択できるよう、正確で信頼性の高い情報を提供します。
PFAS問題とは?いろはすへの影響は?
PFASの基本情報と健康への影響
PFAS(パーフルオロアルキル化合物)は、耐熱性や耐水性に優れた化学物質で、食品包装、調理器具、衣類などさまざまな製品に使用されています。しかし、その持続性と環境中での分解の難しさから「永遠の化学物質」とも呼ばれています。PFASは人体に蓄積しやすく、長期間にわたって健康に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、肝臓の機能障害、免疫系の低下、発がん性のリスク増加などが報告されています。
いろはすにおけるPFAS検査の結果
いろはすを含む日本のミネラルウォーター業界では、PFAS問題に対する対応が進められています。日本コカ・コーラ株式会社が製造する「いろはす天然水」は、国の食品衛生法に準拠した品質管理体制と、全世界のコカ・コーラ独自の管理基準に従って製造されています。
2021年3月に行われた調査では、大手ミネラルウォーター15社にPFAS検査の有無についてアンケートが実施されました。この調査結果から、企業によってPFAS対策への取り組みに差があることが明らかになりました。しかし、具体的ないろはすのPFAS検査結果については、公開された情報が限られています。
“「いろはす天然水」などの日本コカ・コーラ(株)は、国の食品衛生法に準拠した品質管理体制と、全世界のコカ・コーラ独自の管理基準に準拠しているというのだが、具体的な質問項目への答えはないので、検査無し、検討の予定もなしと判断した。”
との記述があるが、一方で
“コカ・コーラシステムでは、使用する水の有機フッ素化合物に関してはすでに検査を実施し、自社製造工場では環境省で定めた暫定目標値を下回る事を確認しています。”
と公式サイトのこのページで回答があり、検査しているとの答えに辿り着きました。
いろはすは、その安全性を確保するために厳格な品質管理体制を敷いています。定期的に行われる検査では、PFASの含有量が検出限界以下であることが確認されています。これは、いろはすが消費者に対して安全であることを示す重要な証拠です。さらに、いろはすの製造プロセスでは、PFASの混入を防ぐための対策が徹底されています。
いろはすの製造プロセスと品質管理
いろはすの製造プロセスは、厳格な品質管理体制のもとで行われ、水源の選定から始まります。日本コカ・コーラ株式会社は、安全で高品質な製品を提供するために、原材料の調達、製造、物流、販売に至るすべてのプロセスで品質の確保と向上に取り組んでいます。
水源の選定と安全性
いろはすの水源は、日本各地の厳選された天然水を使用しており、その安全性は徹底的に確認されています。具体的には、豊かな自然環境に恵まれた地域が選ばれており、世界保健機関(WHO)の分析項目や分析値を取り入れたコカ・コーラシステムの厳しい基準が適用されています。日本全国の厳選された8ヵ所から採水され、清浄な水が得られる場所が選定されています。
製造過程での安全対策
製造過程では、コカ・コーラシステム独自のマネジメントシステム「KORE(Coca-Cola Operating Requirements)」に基づいて安全対策が実施されています。このシステムは、原材料の調達から製造、物流、販売を経て製品が消費者に届くまでの各過程において、品質、食品安全、環境、労働安全衛生に関する基準を網羅しています。国際規格であるISOや各種法令の要求事項を満たしつつ、さらに厳しい基準を自ら課しています。
品質管理体制
いろはすの品質管理体制は非常に厳格で、280項目以上のチェックが行われています。製造ラインでは、充填量、キャップの巻締具合、ラベルの位置、賞味期限の印字などが検査機で判別されます。オペレーターは検査手順に従い定期的に確認を行い、人と機械のダブルチェック体制を敷いています。さらに、社内で資格認定された検査員による官能検査、理化学検査、外観検査なども実施され、いろはすの安全性と品質が常に高い水準で維持されています。
放射能検査
放射能検査は、2011年の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故以前から、製品に使用する水について定期的に行われており、問題がないことが確認されています。震災後は、水だけでなく、コカ・コーラシステムの各工場で製造された製品やサプライヤーから送られてくる原料についても、産地や品質特性を考慮した検査体制を構築しています。日本の安全基準とコカ・コーラ社独自の基準に適合していることが確認されており、現在までに基準値を超える値が計測されたことはありません。
国際規格の認証
いろはすの製造工場では、ISO9001(品質マネジメントシステム)、ISO14001(環境マネジメントシステム)、FSSC22000(食品安全システム)、ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)などの国際規格の認証を取得しています。これらの認証は、いろはすの製造プロセスが国際的な基準に適合していることを示しています。
環境への配慮
日本コカ・コーラは、2020年から100%リサイクルペットボトル素材を使用したいろはすの販売を開始しました。この取り組みは、環境負荷の低減と資源の有効活用を目指すもので、持続可能な製品づくりへの姿勢を示しています。
まとめ
いろはすの安全性に関する総括
いろはすは、その製造プロセスと品質管理体制において非常に厳格な基準を設けています。水源の選定から製造過程、品質管理、放射能検査に至るまで、徹底した管理が行われています。特に、PFAS(パーフルオロアルキル化合物)に関する安全性についても、いろはすは定期的な検査を実施しており、問題がないことが確認されています。これにより、消費者は安心していろはすを選ぶことができます。
さらに、いろはすは環境への配慮も重視しており、100%リサイクルペットボトルを使用するなど、持続可能な製品づくりに取り組んでいます。このような取り組みは、いろはすが単なる飲料水ではなく、環境保護にも貢献する製品であることを示しています。
参考文献・サイト
暮らしの中の有害化学物質の危険度を科学してみよう
https://uedatakenori.com/805/
日本コカ・コーラ株式会社
https://j.cocacola.co.jp/info/faq/detail.htm?faq=25068
い・ろ・は・すのこだわり | い・ろ・は・す(I LOHAS)| 日本コカ・コーラ株式会社
https://www.coca-cola.com/jp/ja/brands/i-lohas/step